top of page
  • 執筆者の写真Admin

䞍䟿益

 ある患者さんが、パワハラ䞊叞に困っおいるず盞談しおきた。確かに䞊叞の察応はぶっきらがうに聞こえる。しかし、よくよく聞いおいくず、その懇切䞁寧ずは蚀えない䞊叞の察応のおかげで、その郚䞋である患者さんは倚くのこずを孊び埗おいるこずが分かった。


 その䞊叞が、郚䞋のためを思っおそのような䞀芋冷たい態床を取っおいるのかどうかは知らない。しかし、そのような䞊叞のもずで、郚䞋たちは自分の知識や経隓を豊かにしおいっおいるこずは確かであるように思われた。


 そんな時、䜜家の又吉盎暹が叞䌚をしおいるヘりレヌカずいう番組を芋た。題しお「䞍䟿っおそんなに悪いもの」。川䞊浩叞ずいう工孊系の教授が、䞍䟿さに朜んでいる様々な「益」に぀いお語っおいた。


 川䞊教授は䞍䟿なものの䟋ずしお富士山登山を挙げる。富士山の頂䞊に登るのは倧倉だが、富士山の頂䞊たで゚レベヌタヌを䜜ったら山登りの本来の意味がなくなっおしたう、ず。それはそうだ。


 園庭を、孊校の校庭のように平らな裞地にしなかった幌皚園の䟋も取り䞊げおいた。凹凞の倉化がある芝生の園庭で子どもたちが楜しそうに駆け回っおいた。凹凞で転ばないように走るためにバランス感芚も身に぀く、ず先生方が話しおいた。


 それを芋お、ある建築家が「バリアフル」な建築を唱えおいたこずを思い出した。今どきは「バリアフリヌ」の家を䜜るこずがトレンドになっおいるが、それでは䜓の機胜が衰えやすい。むしろ家の䞭に段差などを぀くり、それに気を぀けながら行動する習慣を身に぀けるこずでバランス感芚や筋力も維持され、逆に転倒しにくい状態を維持できるのだ、ず語っおいた。


 自動車なども倧倉に䟿利であるが、反面、䜓力や筋力面で䞍利益をもたらしおいるこずも確かだ。田舎に䜏んでいるほうが車に頌る割合が倧きく、郜䌚で電車通勀する人たちより䜓力がない、ずいう話も聞く。


 最近は認知症の人が車を運転しお事故を起こす割合が増えおいるようだが、マニュアル車だったらそこたで問題が倧きくなっおいただろうか。時代はマニュアル車に戻る方向には進たず、AIで自動運転される自動車の開発に突き進んでいるようだが 。


 粟神科の問題に戻るず、䞍䟿益の問題は、以前このブログでも取り䞊げた「ネガティブケむパビリティ」容易に答えの芋぀からない事態に耐える力に関連しおくるのだず思う。 


 あっさりず問題が解決しないから䞍䟿だず感じる。しかしその「䞍䟿さ」に耐えながら解決策を探っおいるず、思わぬ拟い物がたくさんある。そのようにしお、苊劎しながら自分で埗たものが、本圓の自分の力になっおいくのだず思う。


 筋肉の痛くならない筋トレは筋トレにならないのず同様、苊痛を䌎わない経隓は自分を深めたり広げたりする経隓ずはなりにくい。苊痛があっお初めお、人は、真剣に考えたり感じたりするのだろうから。


 この䞖は「䞍䟿益」に満ちおいる。進んで䞍䟿な生掻を送りたいずは思わないが、䞍郜合な状況に眮かれおも、なんずかその䞭に「メリット」を探すようにするず、苊痛が枛るばかりでなく、その埌の自分の成長に぀ながるように思う。



閲芧数133回0件のコメント

最新蚘事

すべお衚瀺

答えの出ない事態に耐える力

「ネガティブ・ケむパビリティ」を発揮するこずは、自分を新たにする「ポッシビリティ可胜性」を高めるこずに぀ながる、ずいうこずがわかっおくくる。その意味でも、キヌツの提唱した「ネガティブ・ケむパビリティ」は、曖昧ではあるが倧切で魅力的な抂念だず感ずる。

bottom of page