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ちょっと自己紹介

 初めての医者にかかるのは不安なものです。それがこころの診療科であれば、なおさらでしょう。その不安を軽くしていただくため、自己紹介を少しだけ。
《興味のある学問分野》

 様々な分野に興味がありますが、博士論文のテーマだった自尊感情(self-esteem)は、今も一番興味のある分野です。日本の子どもたちの自尊感情は世界中でも低い方だと言われます。そして、精神疾患と自尊感情は強く結びついているのです。

《精神科医になった理由》

 もともと私は、「頼れる親父」的な町医者になるのが夢でした。診療所長を長く務めたこともあります。しかし、理想としていたどっしりとした医者からは程遠く、自分の中の弱さと向き合う毎日でした。

​ そんな時に子育てが重なり、今の子どもたちが置かれている厳しい状況を知りました。彼らのこころの苦しみを少しでもやわらげられる仕事を、ということで北海道立緑が丘病院の児童精神科病棟などで診療に携わり、燕で開業しました。

《The Long and Winding Road》
苦しみ

 私自身、決して平坦ではない、むしろ長く曲がりくねったでこぼこ道を歩んできました。しかし、そんな道草ばかりのような人生だったからこそ得られたことも多かったと思います。

 「苦しみはいつか報われる」と、私は思っています。むしろ、苦しまないと大切なものは得られない、とすら考えています。

 

 苦しんでいる時に、「この苦しみをどのようにしたら将来活かせるか」と考えるのは、苦痛を和らげるためにも、また「将来活かせる形で苦しみを苦しむ」ためにも、必要なことだと思います。

 

 実際に苦しんでいる時は、なかなかこころの余裕がないので、その苦しみが後で生きてくることを信じられない人が多いようです。しかし治療を通して考え直し、回復していく方も多く、そのように回復してゆく患者さんを助けるのが精神科治療の醍醐味です。

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